ドラッカー「マネジメント」読書メモ(3)
マネジメントを必要とする時
複数の人間が強力してコミュニケーションを取りつつ多様な課題を同時に遂行する時。つまり、組織だったものはマネジメントを必要とする。
§5 マネジャー
マネージャとは、組織の成果に責任を持つ者である
専門家とマネジャー
業務が高度化するにつれ、専門家(例えば、製造・工程・税務・市場調査・マーケティング・広告のエキスパートのような、知識を専門に扱う人たち)の数は増え、知識も多岐にわたり複雑になっている。かつては人を組織することそのもので高い地位を得られたが、専門家にも該当することもある。例えば、野球の監督やコーチよりも選手の方が高い報酬を得るように、場合によっては専門家を地位的にマネージャの下においてはならない。
しかし、専門家もマネージャもマネジメントの一員であることに違いはない。しかし、専門家のアウトプットを他の者のインプットとする際に助けとし全体の成果を向上させるのは、マネージャである。
マネジャーの仕事
あらゆる職種であっても、マネージャに共通した仕事は以下の5つ。
- 目標を設定する
- 組織する
- 動機づけとコミュニケーションを図る
- 評価測定する
- 人材を開発する
マネージャの資質
マネージャの資質の中で後天的に獲得できないものはただ一つ、真摯さである。
目標管理と自己管理
目標管理の最大の利点は、個々人が自らの仕事ぶりをマネジメントできることである。目標を自己で管理するには、自らの目標を知り、それに照らして自らの仕事ぶりと成果を評価できなければならない。
自己による目標管理は、責任、貢献、成果を要求することが前提としてあるが、大抵の場合において、人間というものはほぼ期待通りに行動する。
(ドラッカー自身は哲学という言葉を安易に使いたくないそうだが) 自己による目標管理こそ、マネジメントの哲学たるべきものと言える。
ミドルマネジメント
例えばメーカーのプロダクトマネジャーは、地位と報酬から見るとミドルの一員でさしたる権限もない。しかし、新製品の成功を左右する、製品開発や市場への展開および成績に責任を持つ。
知識専門家のように、知識を仕事に適用しかつ知識を基礎として、組織全体の能力・成果に影響を与える意思決定者が、ミドルマネジメントである。これらに成果を上げさせることが、事業にとってマネジメントにとっての中心課題となっている。
組織の精神
- 成果を中心に考える
- 成果を長期的に捉える。新しい事を試みる
- 機会に集中する
- 課題中心に考えるではなくチャンスにエネルギー注ぐ
- 真摯さを絶対とする
- マネジャーもまた組織と同様、真摯さを持って行動する。
次回は「§6 マネジメントの技法」から