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Code wins arguments.

ドラッカー「マネジメント」読書メモ(2)

昨日も読みました。遅々として進まない…

§3 仕事と人間

冒頭は肉体労働者より知的労働者が増え、労働状況が変わって来ているという話。(この本っていつ頃書かれたんだろ?)

仕事と労働

仕事は生産的に行えばよいが、労働は楽しくなければいけない。働くことには単なるお金を稼ぐだけでなく、人と社会の絆、集団の中での人間関係、自己実現が重要である。要はモチベーションの上げ方をどこに持ってくるか

人と労働とマネジメント

◆マクレガーのX理論とY理論

  • X理論 … 人は基本的に怠惰で仕事嫌い。強制しないときちんとやらない
  • Y理論 … 仕事に対する欲求が高く、自己実現と責任を好む(ワーカホリックな人たち)

ただし、実際はX理論もY理論も有効ではない。Y理論のように、機会があれば成果を上げるように働くほど単純ではないし、X理論ではモチベーションの向上には程遠い

◆有効は方法は?

例えば有事の時がそうだが、大義のために人のモチベーションは多いに向上する。言われてみると、幕末の日本だってそうだし、今の原発付近で作業している人たちも士気は高いらしい。しかし、平時にそのような状況に持って行く事はできるのか?

日本企業、ツァイス、IBMの3つの例が挙げられるが、共通項は責任範囲の拡大と組織化(そのための教育もたぶん含まれてる)。では、責任を負ってもらうには何が必要か?

責任と保障

仕事に責任を負ってもらうには、働きがいを持ってもらうことが重要。そのためのキーは、個々人の総合的な仕事の管理、成果に対するフィードバック、継続学習である。仕事の成果や量の質は、働く者とチームの責任である。厳しい要求にも聞こえるが、目標を高く設定すればそれ以上の成果を上げて行くものである。

ただし、責任を王にしても身分の保障は必要である。仕事と収入の両方を保証することが、生産的な仕組みをつくる

権限委譲

マネジメントは権限を持つのではなく責任を持つが、責任を果たすために実際には権限がついてくる。また、マネジメントの権限を強化するには、実務者に主体的に成果を上げさせる事が重要。なぜなら、部下に成果を上げさせることで、自らの仕事に専念できるからであり、それがトップマネジメントの権限増大につながる。

人こそ最大の資産

人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。そのためには、適材適所に人員を配置し、仕事と職場に責任と成果を組み込む。人の強みを生産性に結びつけなければならない。

§4 企業の社会的責任

社会的責任はどこから生まれるか?

それは、企業ができた瞬間から生まれる。病院の目的は患者を治すことだが、看護士や料理人を雇った瞬間、様々な課題をかかえる職場コミュニティができ上がる。鉄鋼工場の目的は高性能な金属をつくることだが、騒音や公害の問題がつきまとう。社会の問題に対して、企業は責任を果たさなければならない。

社会的責任の限界

企業はあらゆる社会問題に関心をもち、できれば、組織の貢献と業績のチャンスとすることが望ましい。しかし、その最大範囲は自らの特有の機能を果たす事である。能力を超えた課題に取り組み、結果として果たせないような事は誰も望んではいない。また、他から不当に権限を奪う事も同様である。
自らの範囲内における社会的な課題をマネジメントを持つ組織が果たす、このことにより初めて先進社会が生まれるのである。

知りながら害すな

プロフェッショナルとしての責任は、「知りながら害すな」、すなわち分かりきったルールは破るなということが言える。顧客としては、これが信じられなければ何も信じられない。企業においては、自らの事業が社会に与える影響を分かっておきながら何の処置も施さないということがあってはならない。マネジメントの倫理としても、そのようなことは受け入れてはならない。


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