CEの世界はまだようやく舞台に立ったばかり
ドッグイヤーで生きること、そしてそのスローダウン - My Life Between Silicon Valley and Japan より
でもこの15年、ITやネットの世界では、そういうふうに産業が動いてきた。だからその世界で大きく成功した企業の内部(シリコンバレーでも日本でも)では、小さな成功の種を確固とした優位に変えるまでの一時期には少なくとも、ドッグイヤーの時間が流れた。
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不況になって以来の半年、我々はドッグイヤーで過ぎた15年の印象が強烈過ぎるため、ITやネットの進化が踊り場的状況を迎えていることに苛立ったり不安になったりしているが、このくらいが普通なんだ、という常識的感覚も重要なのではないかと思う。
PCの世界は確かに踊り場かもしれないが、ようやくネットに繋がり始めたCEはまだ舞台に立ったかなと言う所。
新たなユーザー・エクスペリエンスを持つCEが、これから次々と生み出されては消えるだろう。Apple、Intel、Broadcom、Google... 数多くの新興プレーヤーがこの世界を狙っており、旧来のプレーヤーの幾つかは市場から淘汰される可能性が十分に高い。
TV・新聞を中心にしたコンテンツ産業・広告産業にも影響を及ぼし、産業構造の転換にも少なからず影響を与えるだろう(特に日本の場合は、既得権益が必至でそれを死守するに違いない)。
でも、CE業界に入る前からこういう時代が来ることを少なくとも僕は望んでいた。日本の企業がこの市場のリーディング・カンパニーでいられる保証はどこにもない。ただ、最高に楽しくそして厳しい10年が待っている。僕はこの世界で生き抜いて行くつもりだ。