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Code wins arguments.

BRAVIAの新機能にみるSony Unitedが描くシナリオ


ネタ的には少し旬を過ぎてしまったが、ソニーから最薄部が9.9mm世界最薄のLCD TVが発売されました。

重さ約12Kg、映像/音声データはチューナー部を分離してワイヤレスで伝送、最薄部も9.9mmと意地でも1cmを切ってやろうという、ソニーの意気込みと勢いを感じる、なかなか象徴的な商品になっているように思います。

それよりも個人的には気になるのは、「フェイスフレーミング機能」という顔検出技術を搭載した、写真スライドショー機能。実物を見た訳ではないけれど、これまではランダムな座標に対してパンニング/ズーミングを行っていたため、きっと写真の表示中に肝心の顔が切れたりしていたものが、顔検出による座標取得でそれらをディスプレイ内に確実に収めると思われるこの機能は、個人的にはなかなか魅力的。

この機能は VAIO Movie Story という映像編集用のPCアプリと同等のものらしいが、思えば XMB(クロスメディアバー) や x-Pict Story 等のように、PCアプリからデジタル家電やPS3向けへ次々と横展開されている例はたくさんあります。想像するに、まずはPC向けにソフト開発⇒組み込み機器へ横展開というシナリオを思い描きながら、ソニーがそれぞれの商品(機能)戦略を練っていることは明らかでしょう。さらに、DLNA対応やeyeVioという動画共有サイトを公開したりと、ネットワーク機能も確実に充実してきています。

これらはソニー以前に、Appleが得意な戦略(iLife+.Macや、Apple TVやiPhoneへの横展開)ではあるけれど、ひと昔前のあの低迷期のソニーではこの戦略は難しかっただろうし、Sony Unitedのスローガンの元でこういった戦略が上手く噛み合ってきているのかもしれません。

どちらにせよ、技術的にも開発スピード的にもこういったシナリオを描いて行かないと、PCとの戦いには生き残れないだろうし、Apple・ソニーに続く第3のプレーヤーも今後現れるか、もしくは別の戦略があるのか、色々と楽しみなところです。

P.S.
話が反れるが、近日発売される欧州向けウォークマンがついにiTunesに正式対応するらしい。iTunesの豊富なライブラリ機能は活用したいけど、iPodはちょっと、、、という人には持ってこいの商品かもしれません。