グローバルなニッチを狙う発想は大手にはなかなかないよね
ソニー・松下の電子書籍事業の撤退について
キャズムを超えろ!のエントリーより、CPって最初何のことか分からなかったが、コンテンツ・プロバイダのことね。電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退 - ITmedia News
まぁなんてのかな。メーカーにいた人間としては『ああ、いつものパターンだね(藁』という印象。ブクマコメでも散々言われてるが、まとめるとだめなポイントは2つしかない。
個人的には、電子書籍には全く興味がワカナイ。だって、横からカキコんだり、線を引いたり、ポストイットが貼れたりできない、重たいし、解像度低いし、バッテリー切れたら読めない。デメリットばっかじゃん。
それは、ともかく
KindleやiTunes Storeの成功(?)を見てしまうと「いやいやコンテンツを集めてCPと仲良くマスを狙うんだ!」という幻想を諦めきれないのだろう。Kindleはまだ米国でしかサービスを提供してないからよく分からないけど、iTunes Store等のネット配信での音楽販売がここまで流行っているのは、
からが大きい気がするんだが。「売上にテコ入れしたい」「DRMのかかった楽曲を売って違法コピーにブレーキをかけたい」といった理由で、多くの音楽会社がここまで安価で楽曲を提供しているからじゃないのかな。
書籍なんかを電子配信したら、返って違法コピーがネットで出回る温床になるし、映画なんかも音楽に比べると全然出回っているうちには入らない。(だいたい映像コンテンツは見るのに時間がかかるし、違法なことまでして集めたいのはマニアだけじゃないの?)
で、CP側に明確な動機が無い限り、ネット配信の書籍・映画が現状の音楽ほど安くなることはないと思うんだけど。安い端末を出したところで、それが積極的にコンテンツを配信させる理由にはならないわけで、収益を大きく底上げさせるようなメリットや現状のビジネスモデルを脅かす何かが現れない限り、こういったのは進まないと思うんだけど。
現実はローカルなマスを狙ってばかり・・・
話を変えて、次の意見にはすごく賛同できる。やっぱり大手の商品ってのはマスに跳ねてなんぼなので、マスに跳ねる可能性を最初から削っちまうって選択は本当に難しい。でも、国内大手って何だかんだで体力あるから、そこを狙わなくても力技でマスを奪いに行くんだよね。それが、国内でしか受け入れられないようなローカルなマスだったりすると・・・(以下略)結果、マスでもニッチでもない中間的なところに落ちて、鳴かず飛ばずで終わるという轍を業界で10も20もやってまだあきらめきれていないように見える。
そろそろマスは切ってグローバルニッチでファン層を囲う、というマーケティング・商品企画策に振ってもよさそうなものだ...
例えば、グローバルニッチといえばまさにiPhoneとかそうだけど、そういったものを作る発想や戦略が今の大手にあるかっていうと、極めて?
ほとんどの商品戦略は、ローカルなマス⇒グローバルなマスを奪うといったものじゃないのかな。「いやいや垂直立ち上げなんだ」というけれど、日本の家電の場合は仕向け地毎で仕様を変えたりは当たり前だし。
そうやってイノベーションのジレンマ的なことばっかりやってると、第2のAppleにまたしても美味しい所を持って行かれ兼ねない気はするけどね。
追記 (2008/07/04)
動画配信に関してはCNETのブログにこんなエントリーがあったのを思い出した。- 家電・コンピュータ業界がコンテンツの囲い込みを急ぐわけ
http://japan.cnet.com/blog/mugendai/2008/01/09/entry_25003879/