@uents blog

Code wins arguments.

個人と会社の付き合い方について僕が今思っていること

キャズムを超えろ - 3年でやめたら貴方に何が残るかを入社前にイメージできる会社は優秀な社員を採用できる!?経由で、

という記事を発見。何という釣りっぽいタイトル・・・

学生さん達の様子の写真があったんだけど、

女子学生、ちょっとかわいい♪ じゃなくて...

予想するに、前列いちばん右側の人が、“2007年度の天才プログラマ/スーパークリエータとして認定された斉藤匡人氏”かな(笑) どう考えても雰囲気的に飛び抜けてる感がある。あとの学生さんは普通の学生って感じだね。顔つきとか、まんま就活してそうだもん。

そんな感じで、企業人のトップクラスの方々と本当に討論として成立していたかは若干怪しい気が・・・実際は斉藤さんって方と企業の方との一騎打ちだったんじゃ・・とか邪推してみたり ^^;

会社を選ぶ基準って?

ま、それはいいとして、企業の偉いさんは学生さんを虜にするのがヘタだなあということ。
「入社して最初の10年は泥のように働いてもらい、次の10年は徹底的に勉強してもらう」

「仕事をするときには時間軸を考えてほしい。プログラマからエンジニア、プロジェクトマネージャになっていく中で、仕事というのは少しずつ見えてくるものだ」


今時の学生、誰かこんな言葉に魅力を感じるだろうか? 考え方が前時代過ぎませんか?

会社がいつまで存続するか/社員の面倒をどこまで見てくれるか分からなくなった時代 (いまの社長さんって「社員の生活は絶対に守ります」なんて言わないよね)、誰がこんな言葉を信用できるだろう。

学生って例え論理的には分かってなくても、アンテナだけはとてつもなく鋭いのです。

キャズムを超えろ!でも仰っている通り、

あなたが選んだ会社で「10年泥のように働いている」間に、潰しの効くスキルセットがあなたに残るだろうか? 先に述べたような会社を取り巻く状況のなかで、これが残らないような会社での仕事は御免被りたいというわけではなかろうか。

繰り返すが、10年泥のように働き終えるまで、自分のスキルセットや専門性が明確に見えないような会社には行きたくない、と。今、私が新入社員として企業を選ぶなら、同じ考えをするだろう。


正直、これが大半の学生さんの率直な思いだと思うんだけどな。

それに、みんながみんなプロマネになりたい訳じゃないし・・・ 「ベテランがプロマネ、ぺーぺーがプログラマ」て暗に決めるんじゃなくて、この辺りってもうちょっと分職化できんもんだろうか。

実際に会社に入ってみて

個人的な感想だけど、実際に会社 (一応それなりの企業の技術現場に勤めてます) に入ってみると、
  • OJTとは名ばかり。誰も親切/丁寧に仕事なんて教えてくれない
  • 自己実現やスキルアップなど聞こえの言い言葉を並べるが、実際はどんどん仕事を詰め込んでくるだけ
  • 新商品(もしくは新機能)の立ち上げ時から開発に参加させてもらってなければ、相対的にメンテやバグフィックスの作業が増える
会社なんてリソースを最適化して、プロジェクトを達成することが第一なわけだから、人が多いほど/業務が忙しくなればなるほど、人材育成やら自己実現やらはなおざりになるのは、考えてみれば当然のことかもしれない。

また、プロジェクトが大きい程、巨大なシステムの1コンポーネントの1機能の...て感じで、すごく細分化された仕事ばかりをやる事になる。(しかし、プロマネの常套手段だと、WBSによって作業が細分化される事自体は間違ってはいない)
こうなってくると全体を見渡すのが困難になり、自分は一体何をやってんだろって思えてきたりもする。最近じゃある程度仕事を任されるようになったから、そこまで感じなくなったけど。


逆を言えば、スキルの高い学生は大企業なんかに行くべきじゃないよ。スキルに合わせた裁量を、入社してすぐの社員に与えてくれる大企業(組織)なんてそうそうないと思うし。かと言って、「経験を積んでいる過程ではしっかり勉強できる」かって言うとそれも違う。
また、組織が大きくなるとアイデアを出すばっかり/プログラム書くばっかりが仕事じゃなくなるし、どう考えても自由度は下がる。

自らアクションを起こすことが大事

まあただ職場の環境はどうであれ、やはり自らアクションを起こさなきゃダメだと思う。キャリアだの自己実現だのは会社に言われてやるんじゃなく、自ら動いてやるべき。周りに流されるばかりで仕事をしてると、結局自分の手元にはスキルと呼べるものは何も残らない。

社会人になると会社で過ごす時間が必然的に長くなるので、その時間を納得して過ごせないのはやっぱり不幸な気がする。内なるベクトルと会社のベクトルが上手く合わなければ、究極的には転職すればいい訳だけど。
ともかく、自分のやりたいことがしっかりある人は、そのための備えを自分でちゃんとしておかなくちゃいけないよね、と思う今日この頃なのでした。